診療内容
心臓は受精してから1本の管だった心臓が捻じれたり、曲がったり、くっ付いたりして、壁が出来たり吸収されたりして約10週で出来上がると言われています。生まれながらに心臓の壁の孔が塞がらずに残っていたり、壁が余分に残っていたり、血管が狭かったりする構造に異常のある病気を先天性心疾患と言います。小児心臓外科は先天性心疾患に対する外科的治療(手術)をしたり、子どもの心不全(心臓の動きが悪い病気)に対する機械的補助(人工心臓)による治療を行なっています。
主な対象疾患
新生児期一期的修復術(人工心肺を使用した修復術)
- 完全大血管転位症に対する大動脈スイッチ手術(ジャテン手術)
- 大動脈縮窄症・離断症修復手術
- 総肺静脈還流異常症手術 等
乳児期・乳児期以降一期的修復術(人工心肺使用した修復術)
- 心室中隔欠損閉鎖術
- 房室中隔欠損修復術
- 心房中隔欠損閉鎖術 等
段階的治療(人工心肺を使用した姑息手術)
- 左室低形成症候群に対するノーウッド手術
- 肺動脈閉鎖症に対する肺動脈形成術
- ブレロック手術
- ラステリ手術 等
段階的治療(人工心肺を使用しない姑息術)
- ブレロック手術
- 肺動脈絞扼術
- 両側肺動脈絞扼術
- 大動脈縮窄症・離断症に対するフラップ手術・ブレロックパーク手術 等
複雑心奇形・単心室症に対する機能的修復手術
- グレン手術
- フォンタン手術 等
小児心不全
- 拡張型心筋症
- 心筋炎に対する機械的補助(人工心臓)による治療
関連する診療科・専門外来
診療科の特徴
先天性心疾患を持つ赤ちゃんは約100人に1人の割合で生まれていると言われています。専門治療を行わないと20%~30%は新生児期に、50%は乳児期に死亡すると言われています。呼吸がしんどそうだったり、ミルクの飲みが悪かったり、体重の増え方が遅かったりするのは先天性心疾患が関与していることがあり、私たち小児循環器グループは、心疾患を持った赤ちゃんを1人でも多く救うために日夜努力しています。残念ながら、まだ全ての先天性心疾患のお子さんを救命できるにはいたっていませんが、治療成績は確実に向上しており、単に救命するだけでなく、より質の高い人生を送れるようような治療へと変化しています。
現在の先天性心疾患に対する医療は、生まれてから診断して治療が始まることは少なく、そのほとんどは胎児期(お母さんのお腹の中にいる時)から始まります。産科医の診察で発見され、胎児診療科・小児循環器内科に紹介され診断され治療・手術が計画されます(妊娠何週で出産して、生後何日間は内科的治療をして、生後何日で手術をするなど)。産科・胎児診療科、小児循環器科、小児心臓外科が連携して治療にあたることが一般的で、地域の関連する医療現場と連携することで小さな命をひとつでも多く救おうと日夜努力を続けています。
そして、救われた命はいずれ成人になります。完全に医療を必要としない人もいれば、医療を必要とする人もいます。年老いるまでの間に再度医療が必要となる人もいます。当院ではそのため成人先天性心疾患診療科をいち早く立ち上げ、胎児期から、生まれて、治療を受けて学校に通い、成人になり、就職したり、結婚したり、子供を産んだり、年老いるまでの人生を全てサポートできる総合病院ならではの特徴を生かしたシステムを持つ、国内でも数少ない施設の一つとして認められ診療にあたっています。
また、先天性心疾患は同じ病気であっても一人一人の病態が少しづつ異なるため、分かりやすく説明し、オーダーメードの治療を提供しています。
診療科の概要・沿革
一般的に心臓手術は急速な進歩のためにその専門性が高くなり、現在では成人の心臓手術と小児(先天性心疾患)の心臓手術はそれぞれの専門の医師が担当するようになりました。さらに、小児期に治療した先天性心疾患を再度手術する成人先天性心疾患手術を専門にする診療科まで細分化されています。
当院では、1997年5月に東京女子医科大学から専門医2名を招聘して小児心臓外科を開設し、1998年4月には小児循環器科が新設され、2011年4月には成人先天性心疾患診療科が新設されました。これにより国内でも数少ない総合的に胎児期・新生児期から成人までを対象とした先天性心疾患診療体制の整った施設となり、心臓血管外科専門医機構認定基幹施設であることは言うまでもなく、更に専門化された小児心臓外科医生涯育成プログラムAdvanced3認定施設、成人先天性心疾患専門医総合修練施設です。
岐阜県内のみならず、愛知県、滋賀県、東京からもご紹介頂くようになり、全国に拡がっています。母体・胎児での紹介が一般的になりつつありますが、総合病院の強みを活かし、赤ちゃんだけでなくお母さんも含め診察にあたります。また、母とこども医療センター、産科・胎児診療科、新生児内科、小児循環器内科、循環器内科と連携して赤ちゃんから学童期、成人になってからの問題も継続して診察可能です。
術後の傷や胸骨の変形に対する治療、他院で受けた手術の遠隔期・成人期のフォロー、遠隔期の不具合に対する外科治療も当院では行っています。
| 1997/05 | 小児心臓外科開設 長津医師(部長)、八島医師赴任 |
|---|---|
| 1998/04 | 小児循環器科開設 |
| 1998/10 | 小児循環器病床開設 |
| 2001/04 | 竹内医師(部長)赴任 |
| 2010/11 | 岩田医師赴任 |
| 2011/04 | 成人先天性心疾患診療科開設 |
| 2013/04 | 小児集中治療室(PICU)改築 |
| 2019/09 | 渕上医師赴任 |
施設認定
- 心臓血管外科専門医認定機構修練施設(小児領域基幹施設)
- 小児心臓外科医生涯育成プログラム・Advanced 3 認定施設
- 成人先天性心疾患専門医修練総合施設
- 成人先天性心疾患対策委員会(循環器内科ネットワーク)参加施設
いわた ゆうすけ
岩田 祐輔
| 役職 |
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|---|---|
| 専門分野 |
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| 認定資格 |
|

ふちがみ たい
渕上 泰
| 役職 |
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|---|---|
| 専門分野 |
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| 認定資格 |
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なかむら まこと
中村 真
| 役職 |
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|---|---|
| 専門分野 |
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| 認定資格 |
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やまがた あきこ
山形 顕子
| 役職 |
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|---|---|
| 専門分野 |
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| 認定資格 |
|
外来担当医表
| 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1診 | 午前 | 渕上泰 (初診・再診) |
ー | ー | ー | 岩田祐輔 (初診・再診) |
| 午後 | ー | ー | ー | ー | ー | |
※病診予約は、赤字部分で可能です。
診療実績
小児心臓外科手術件数内訳
| 平成31年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
| 【開心術】 | |||||
| 心房中隔欠損閉鎖術 | 15 | 8 | 16 | 8 | 14 |
| 不完全房室中隔欠損症手術 | 0 | 3 | 2 | 1 |
0 |
| 部分肺静脈還流異常症手術 | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 |
| 心室中隔欠損閉鎖術 | 24 | 24 | 19 | 11 | 10 |
| 右室二腔症手術 | 1 | 1 | 0 | 2 | 1(1) |
| ファロー四徴症手術 | 1 | 7 | 3 | 2 | 0 |
| 両大血管右室起始症手術 | 0 | 2 | 2 | 1 | 0 |
| +右室流出路形成、肺動脈形成 | 1 | 2 | 2 | 2 | 1 |
| ラステリ手術 | 3 | 3 | 1 | 7 | 3 |
|
右室流出路再建術 (肺動脈弁置換術含む) |
1 | 1(1) | 3 | 3 | 3 |
| 完全房室中隔欠損症手術 | 2 | 2 | 1 | 6 | 1 |
|
大動脈スイッチ手術 (ジャテン手術) |
3(1) | 3 | 2 | 4 | 3(1) |
| 大動脈縮窄・離断症手術 | 4 | 1 | 1 | 1 | 1 |
| +左室流出路狭窄(ヤスイ手術) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| ノーウッド手術(左心低形成症候群類縁疾患含む) | 4 | 0 | 0 | 1 | 2 |
| 総肺静脈還流異常症手術 | 0 | 1 | 1 | 1 | 2 |
| +肺動脈形成、弁形成、シャント等 (心房内臓錯位症例を含む) |
0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
| 三心房心手術 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 房室弁手術 (共通房室弁形成術、エブスタイン類縁疾患等) |
5(1) | 4 | 1 | 4 | 6 |
| 大動脈弁・弁下・基部手術 (弁形成、ロス手術、デイビット手術等) |
2 | 1 | 0 | 0 | 3(1) |
| フォンタン手術 | 6 | 5 | 5(1) | 6 | 5 |
| +弁形成、肺動脈形成 等 | 1 | 0 | 2 | 1 | 0 |
| 両方向性グレン手術 | 3 | 1 | 3 | 2 | 2 |
| +弁形成、肺動脈形成、DKS 等 | 3 | 1 | 5 | 1 | 0 |
| 冠動脈手術(ALCAPA、CABGなど) | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 |
| その他(肺動脈形成術、肺静脈狭窄症手術含む) | 6(1) | 4 | 7 | 4 | 3(1) |
| 小計(CPB+) | 85 | 79 | 77 | 69 | 63 |
| 【非開心術】 | |||||
| 動脈管閉鎖術(主に極低出生体重症例) | 9 | 15(1) | 13 | 6(1) | 13 |
| 肺動脈絞扼術 | 8 | 11 | 3 | 4 | 7 |
| 両側肺動脈絞扼術 | 4 | 3 | 0 | 2 | 5 |
| ブレロック短絡術 | 2 | 8 | 3(1) | 3 | 5 |
| 大動脈縮窄・離断症手術 | 3 | 1 | 2 | 3 | 1 |
| ペースメーカー、CRT、ICD、植え込み | 3 | 2 | 1 | 2 | 3 |
| その他(13、18トリソミー症例を含む) | 1 | 1(1) | 1 | 1 | 2 |
| 小計(CPB-) | 30 | 41 | 23 | 21 | 36 |
| 【その他】 | 25 | 20 | 28 | 23 | 33 |
| 総計 | 140(3) | 140(3) | 128(2) | 113(1) | 132(4) |
| ()内は病院死亡 | |||||
心臓手術件数

ご紹介いただきたい所見について
小児科の先生へ
呼吸雑音、心雑音、顔色不良、酸素飽和度が低いなど先天性心疾患手術後で、転居に伴うフォロー先をお探しの場合など、お気軽にご相談ください。
産科の先生へ
胎児エコーで気になる点がある場合など、お気軽にご相談ください。
当科の強み
新生児から成人まで先天性心疾患をオールラウンドに診察・治療、就学・就職・妊娠・遺伝相談などできる数少ない医療機関です。









