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脊椎外来
診療内容・特徴
日本人の平均寿命は世界トップレベルになり、次の問題として要支援、要介護を必要とする人口が急増していることが挙げられます。その原因として、関節疾患、骨粗鬆症を基盤とした脊椎骨折、大腿骨骨折など、整形外科疾患は上位にランクされています。
転倒骨折の原因となりうる加齢による頚髄症や腰部脊柱管狭窄症などの歩行障害を呈する脊椎疾患は頻度が高く、その治療は健康寿命を延ばす上で重要性が高まっています。
当脊椎外来を訪れる患者さん、脊椎手術を受けられる患者さんも約半数は65歳以上となってきています。加齢による変性疾患(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、頚髄症、靭帯骨化症)以外に、変形(側弯、後弯、すべり症)、腫瘍(脊椎腫瘍、脊髄腫瘍)、炎症(リウマチ性、感染性)、骨粗鬆症性疾患、外傷、小児脊椎疾患など幅広く脊椎・脊髄疾患を扱っています。周辺の開業医の先生方と連携しながら、症状の軽減、日常生活動作向上に寄与させていただくことを目指しています。
脊椎手術には、大きく分けて脊髄、馬尾、神経根を圧迫しているものを取り除く手術(除圧術)、不安定な脊椎を安定させる手術(脊椎固定術)、変形している脊椎を矯正する手術(矯正術)があります。当院は、日本整形外科学会、日本脊椎インストゥルメンテーション学会の手術症例登録に参加しています。外来では、パンフレットをお配りし、手術の適応、入院・手術・退院のながれ、合併症などを説明しています。お気軽にお尋ねください。
脊椎脊髄外科センター
脊椎脊髄の専門的な診療をおこなっています
高齢化社会の現代では、加齢にともなう脊椎の病気が増えています。
・腰部脊柱管狭窄症:腰の軟骨や椎間板(骨の間のクッション)がすり減って、それに伴って骨の突出部や硬くなった靭帯などが脊髄神経を圧迫します。腰痛や足のしびれ感がおこり長く歩けなくなってきます。
・後弯症・変形性腰椎症:軟骨が重度に摩耗すると、背ぼねの形が変形することがあります。年々変形が強くなり、腰が曲がってくることがあり。腰痛が慢性化します。
・頚椎症性脊髄症:首の部分で脊髄が圧迫されて手足がしびれて動きにくくなります。
脊椎の病気は若い人にも見られます。
・腰痛症:重労働やスポーツで腰を傷めることがあります。多くの場合は腰部の筋肉や椎間関節という部分が原因になります。
・腰椎椎間板ヘルニア:骨と骨の間の椎間板が突出して神経を圧迫します。腰痛とおしりから足にかけての痛みとしびれを起こします。
・腰椎分離症:成長期に激しいスポーツを繰り返すと骨の弱い部分に亀裂がおこり、腰痛が起こります。
・側弯症:中学生くらいの年齢で背ぼねが横に曲がってきます。肩が傾いたり、肋骨の出っ張りが気になったりします。
・小児の先天性疾患(ダウン症候群に伴う頚椎の病気など)
低侵襲(ていしんしゅう)脊椎除圧術(体にやさしい手術)
主に脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの人におこなわれます。神経が圧迫される病気に対しては、圧迫するもの(骨や靭帯組織)を取り除いて神経を開放する手術が有効です。近年の医療技術や手術器具の進歩に伴い、外科手術の低侵襲化が進んでいます。脊椎外科でも「小さい切開で治す」「手術後の痛みが少ない」手術が可能になりました。椎間板ヘルニアの場合にも、内視鏡や顕微鏡を使用して、小切開で、安全で体にやさしい手術をおこないます。また椎間板内酵素注入療法(コンドリアーゼ)にも対応します。
図1. 脊柱管狭窄症の治療. 神経を邪魔しているものを取り除きます
図2. 背ぼねの断面図. 片側の筋肉のみを切開する低侵襲手術の例
最小侵襲脊椎固定術(MIST)
腰椎すべり症(背ぼねが前後にずれる病気)などの、脊椎がグラグラして痛みを生じている場合は、脊椎を安定化させるためにチタン・インプラントによる脊椎固定術が有効です。従来は大きく切開してインプラントを入れる手術が主流でしたが、近年では小切開で手術を行うことが出来るようになりました。椎弓根スクリュー(背ぼねを固定するネジのようなインプラント)を入れる際にも、経皮的スクリュー法(PPS法)や皮質骨経路スクリュー法(CBT法)という方法で、出来るだけ小切開で行うようにしています。
図3-1. MIST法による腰椎固定術の例
図3-2 腰椎すべり症に対する固定術の例. 出来るだけ小切開で行うようにしています
脊椎変形矯正(きょうせい)手術
曲がった背ぼねを真っすぐに矯正する手術です。体の負担はやや大きくなりますが、姿勢が矯正されバランスのよい背ぼねが維持されます。思春期側弯症に対する外来診療や装具治療も行っています。また最近は高齢化に伴い、背ぼねが曲がって猫背(ねこぜ)のようになったり、横に曲がってしまったりする人(側弯症)が多く受診されます。
適応がある場合は、インプラントによる矯正手術によって、姿勢を直すことが可能です。体のバランス不良、姿勢維持の困難な人、慢性の腰痛のある人に適応されます。
骨粗鬆症に伴う脊椎骨折の治療
加齢に伴い、骨が弱くなり骨粗鬆症(こつ そしょう しょう)になる人が増えています。弱くなった骨はちょっとした転倒でつぶれてしまうことがあります。そのまま放置すると動けなくなってしまう場合がありますので、早期に治療が必要です。
主にコルセットによる装具治療が行われますが、痛みが強い場合は椎体形成術(バルーンを用いた後弯矯正術;BKPといいます)を行うと早期に痛みの緩和が可能です。
また、病状によってはチタン・インプラントによる固定術をおこなうこともあります。
脊椎脊髄腫瘍(しゅよう)の治療
背ぼねや脊髄神経に出来る腫瘍(しゅよう)に対して治療をおこなっています。腫瘍の多くは、神経やその周囲から発生する良性の腫瘍です。
骨に出来る腫瘍は内臓のがんからの転移が多く見られます。放射線治療やインプラントによる治療を行い痛みを緩和することが可能です。
外来では、パンフレットをお配りし、手術の適応、入院・手術・退院のながれ、合併症などを説明しています。お気軽にお尋ねください。
診療日時・受診方法
外来
飯沼宣樹 月曜日(午前)、金曜日(午前)
伏見一成 火曜日(午前)、水曜日(午前)
手術日
月曜日(伏見)、水曜日(飯沼)、木曜日(飯沼、伏見)、金曜日(伏見)
その他、脊椎外傷、腫瘍疾患、脊椎感染症などに対する緊急手術にも対応します。
受診方法
予約制。紹介患者さんを優先しています。予約外の患者さんも多く、待ち時間が長くなってご迷惑をおかけしています。
最終更新日:2022/06/06